パナソニックのスチームオーブンレンジ「ビストロ NE-BS9D-K」について、子どもがいる家庭で本当に使えるかという目線で、実用性をレビューします。 前回、ビストロのトースターの満足度があまりにも高かったため、ちょうどレンジも古くなっていたのでこちらに新調しました。
結論から言うと、調理性能は文句なしですが、毎日使う上での「めんどくささ」もそれなりにある、割り切った作りの家電です。
1. ぶっちゃけ下位・上位モデルと何が違うのか
現行のビストロの中で、この「BS9D」は真ん中の位置づけです。ざっくり違いをまとめると以下の通りです。
| 機能 | 下位 (BS8D) | 本製品 (BS9D) | 最上位 (UBS10D) |
|---|---|---|---|
| 実勢価格 | 約8.3万円 | 約8.3万〜9.6万円 | 約18万円 |
| センサー | 赤外線(普通) | 64眼スピードセンサー(高精度) | 64眼スピードセンサー(高精度) |
| おまかせグリル | 冷凍食材のみ | 冷凍・冷蔵・常温の混在OK | 冷凍・冷蔵・常温の混在OK |
| スマホ連携 | なし | レシピ閲覧のみ(送信不可) | レシピ送信・自動設定 |
| 操作パネル | ダイヤル+ボタン | ダイヤル+白黒液晶(番号のみ) | フルカラータッチパネル(文字表示) |
下位モデル(BS8D)は冷凍食材しか自動グリルできませんが、本機(BS9D)は「凍った肉」と「生の野菜」を一緒に並べても、センサーが勝手に判断して同時に焼き上げてくれます。ここが最大のメリットです。
一方で、最上位(UBS10D)との違いは「調理性能」ではなく、「画面の見やすさ」や「スマホからレシピを送れるか」という操作性の部分だけです。そこにプラス8万〜9万円を払えるかどうかが分岐点になります。
2. 子育て家庭でリアルに使える機能
実際に使う中で、特に子育て世帯の効率化に直結する部分は以下の3点です。
ほったらかし両面焼き
コンロで魚や肉を焼くと「ひっくり返す」「火加減を見る」という監視コストがかかりますが、これはグリル皿に並べてボタンを押せば終わりです。裏返しも不要。 子どもが「お腹すいた」「宿題見て」と言っている時間に、完全に調理をアウトソーシングできます。夏場にキッチンが暑くならないのも地味に助かるポイントです。
後片付けが皿1枚で済む
揚げ物や焼き魚をした後、フライパンやコンロのグリルを洗うのは非常に面倒ですが、これなら付属の「ヒートグリル皿」を1枚洗うだけです。食洗機にも対応しています。
解凍のムラが少ない
冷凍のひき肉や薄切り肉を解凍したとき、端っこだけ火が通って白くなるあの現象がほぼ起きません。1枚ずつ綺麗に剥がせるレベルで解凍できるため、夕飯前の急な調理開始でもストレスがありません。
3. 買ってから気づく、リアルな不満点
性能が良い反面、コストカットのしわ寄せがUI(使い勝手)にきています。
液晶に「料理名」が出ない
個人的に最大のデメリットがこれです。画面には「No.45」といったメニュー番号しか出ません。 130種類以上ある自動メニューを使うには、毎回、紙の取扱説明書(レシピ集)を開いて番号を確認する必要があります。パナソニックもこれを自覚しているのか、メニュー表のシールを同梱しており「ドアに貼ってください」という仕様になっています。見た目を気にするか、利便性を取るかの二者択一です。
アプリ連携がほぼ意味をなさない
スマホアプリでレシピを見ることはできますが、その設定を本体に送信する機能はありません。アプリでメニューを見つけたら、結局レンジの前に行ってダイヤルで番号を合わせる必要があります。
耐熱ガラスボウルしか使えない
人気の「ワンボウルパスタ」などの機能ですが、使えるのは「耐熱ガラス製ボウル」限定です。子どもがいる家庭でよく使う、軽くて割れないプラスチック製の耐熱ボウル(ジップロック等)は使えません。ガラスボウルは重いので、出し入れが少し億劫になります。
4. 長く使うための注意点
- 本体が重い: 20kg近くあるため、設置は結構大変でした。
- 長期保証は必須: 3年目以降に温度センサー(U92エラー等)が壊れた場合、修理費が最大6万円ほどかかるケースが報告されています。約9万円の買い物ですので、購入時は家電量販店の5年長期保証に入ることを強くおすすめします。
QoLが上がったか
上がりました。ただし、マメに説明書を見られる人限定です。
火加減を見なくていい、ひっくり返さなくていい、皿1枚洗えばいい、という「調理中の名もなき家事」が消える恩恵は確実にあります。子どもをワンオペで見ながらでも、メインの肉・魚料理が仕上がるのはQoL向上と言っていいです。
ただ、「いちいち紙の冊子やシールでメニュー番号を確認してダイヤルを回す」というアナログな作業が、毎日のルーティンとして許容できるかどうかが分かれ道です。そこが面倒だと感じるなら、少し高くても最上位モデルにするか、機能を絞った安いモデルを選んだ方がコスパは良いと思います。
